【太鼓曲】
祇園囃子
京の夏を彩る祇園祭のテーマ曲をテンポアップして六斎風にアレンジした。原曲は月鉾、函谷鉾からの曲を抜粋している。導入部は笛の「しずみ」からはじまり、六丁の鉦の一斉打ちで重い鉾が始動するがごとく曲が動き出す。前半部は原曲に近い出鉾囃子の優雅でゆっくりとした一節を鉦の音色を中心にして奏でている。
中間部は戻り囃子をよりテンポアップし太鼓踊り芸の「妙」を創出している。またこの部分は、太鼓と鉦の異なるリズムがうまく調和し曲全体の美しい響きの中、すぐれた構成力と創作力が汲み取れる。
後半部の「流し」になると太鼓の地廻りが加わり、そのあと子供達の踊りも入る。そして「棒振り」が流しのアップテンポに併せて厄除け祈願をする。「上げ」と称する最終部分では、上手、下手、両太鼓方のせり上がりが見どころで、鉦の柔らかい響きで終曲する。
因みに、当会の祇園囃子は、隣接する西院の六斎講中から指導を受けたと言い伝えられ、当時世間では「これぞ見てくれ西院の六斎」といわれるほどの評判で、仲間内では指導的な講中であったと推測される。
祗園囃子
棒振り